梶原吉広 【トップリーグオールスター FOR ALL チャリティーマッチ2016】

今季よりスーパーラグビーに参戦するサンウルブズの初陣が2月13日に迫りました。対戦相手はトップリーグXV(フィフティーン)です。豊田スタジアム(愛知)で行われる「トップリーグオールスター『FOR ALL チャリティーマッチ2016』 は、午後2時キックオフです。これまで、トップリーグのチャリティーマッチは、オールスターを2チーム編成してエキシビションマッチとして行われてきた。しかし、今回は世界最高峰のプロリーグに参戦するサンウルブズを、トップリーグを挙げて後押ししようと各チームも全面バックアップしてます。東芝ブレイブルーパスの冨岡鉄平監督が選出したメンバーは引退を表明した元日本代表CTB大西将太郎、昨年のワールドカップメンバーでもある廣瀬俊朗らのベテランに、トップリーグ新人賞の小瀧尚弘(東芝)、NTTコミュニケーションズのルーキー石橋拓也ら将来期待の若手も多く、どんなチャレンジを見せてくれるのか楽しみは尽きません。

指揮を執る冨岡監督は、東芝の黄金時代を築いたカリスマ・キャプテンでもあります。決して勝負を捨てない戦いでファンを感動させてきました。今回も気合が入ります。「各チームのご理解とご協力もあり、実力重視の勝てるメンバーをそろえることができました。サンウルブズを送り出すのにふさわしい引き締まった勝負を一人でも多くの方に見ていただけたらと思います」対するサンウルブズを率いるのは、元ニュージーランド代表オールブラックスのHOマーク・ハメット。スーパーラグビーの常勝軍団クルセイダーズでプレーし、アシスタントコーチ時代も含めれば7度の優勝にすべてかかわってきました。ウェリントンを本拠地としたハリケーンズでのヘッドコーチ経験もあり、スーパーラグビーの戦い方は熟知しています。「今年は経験を積むシーズン、チームの土台を築きたい」と、今季はシンプルな戦術で粘り強いチームカルチャーを築こうとしています。指揮官の人選が遅れたこともあって準備不足は否めないが、国内シーズン終了後の2月3日にメンバーが集合しています。メディカルチェックの後、トヨタスポーツセンター(愛知県豊田市)で急ピッチのチーム作りを行っている。戦い方はシンプルになりそうですが、昨年までの日本代表同様、SH(9番)、SO(10番)の周辺に複数の選手が走り込んで素早くボールを動かし、さらにワイドにボールを動かす見込みです。

キャプテンは、パナソニックの堀江翔太です。昨秋のワールドカップ後は世界中のクラブからオファーが届き、現在の日本人選手の中で世界的評価の最も高い選手だ。「1人では決してできない事もありますし、チーム全員で助け合いながら、まとめていければと思います。ディフェンスがカギとなってくると考えているので意識して取り組んでいきたいです」。昨夏にスーパーラグビーに参加する選手の契約が進まず、参戦が立ち消えになる危機がありました。そのとき、「俺、やるよ。みんな頑張ろう」といち早くサンウルブズへの参加を決意したのが堀江でした。「子供達やファンの人達をがっかりさせたくない」。その思いが仲間たちの心に火をつけました。キャプテン就任は当然のことかもしれません。

本稿執筆時点で13日のメンバー編成は未定だが、PR稲垣啓太、HO堀江翔太、LO大野均、SH日和佐篤ら昨年のワールドカップメンバー、そしてPR垣永真之介、SH矢富勇毅らバックアップメンバーが中心によると予想されます。サモア代表でもあるSOトゥシ・ピシ(サントリー)、昨季はオーストラリアのレッズに所属していたFLエドワード・カークらスーパーラグビーでのプレー経験豊富な選手がサンウルブズの中でどう機能していくのか。どのようにトライを取り、どのようにトライを防いでいくのか。サンウルブズの方向性がある程度分かる戦い方が期待されます。そして、観戦する皆さんには、日本ラグビーを盛り上げていこうとする選手達の熱い心と渾身のプレーを存分に楽しみましょう!!

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